アウトドア満喫のためのヒグマ対策と事前チェック情報リンク集

北海道でのヒグマ目撃件数は年々増加傾向で、アウトドアレジャーとヒグマ対策は切り離して考えられません。函館・道南も例外ではなく、山の多い渡島半島全体はもちろん函館市街地の近くでもヒグマは何度も出没、海岸近くのエリアでも被害が出ています。そこで函館・道南でアウトドアを楽しむ準備に向けてヒグマ対策情報をまとめました。

更新 2023/7/14
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函館市内と周辺のヒグマ出没傾向(2023/3)

函館市内での最近の目撃・遭遇被害の報告傾向をざっとまとめました。

近年の詳しい出没場所マップは函館市が公開しているひぐまっぷページをどうぞ

逆に函館市内でヒグマ出没が(ほぼ)ありえない場所は函館山とその周辺。函館山は太平洋戦争終戦までの歴史的経緯もあり自然がほぼ手付かずのまま残っていますが、周囲は長年にわたり市街地で囲まれておりヒグマの生息が確認されていません。(一方、河川と海側を辿ったのか2021年に本来生息していないエゾシカが函館山に出現したことがありました)

最新ヒグマ出没情報とリンク

アウトドアに出かける前に最近のヒグマ出没場所について事前チェックをオススメします(残念ながら最新情報の全てが網羅された統一した情報源がないのですが)。基本は目的地自治体の公式サイトの確認ですが下記も要チェック。登山などアウトドアはもちろん、キャンプしながらの北海道ツーリングや車中泊旅行前の事前チェックをオススメします。

  • 北海道警察地域情報発信室Twitter
    交通事故以外の事故・対策情報のほか道内のヒグマ出没情報をツイートしています
  • ひぐまっぷ
    自治体向けのヒグマ出没情報記録マップシステム。トップページ下側にひぐまっぷを利用し自治体単位で出没情報を公開している自治体リンク集。情報の鮮度は各自治体の更新に依存

ヒグマは基本的に自分の縄張り内で行動するため、目撃場所の近隣に繰り返し出没する可能性があります。アウトドアにお出かけの前には最近の出没傾向をチェックしておきましょう。
このほか、各自治体公式サイトの一部に過去の出没情報や注意喚起の情報ページが用意されている場合があります。

ヒグマ出没報道・関連報道 新着ブックマーク

e-HAKODATEがチェックした函館道南のヒグマ出没関連ニュースとブックマーク 最新10件。
このほか、会員限定記事ながら函館新聞のクマ目撃情報一覧を見ると最近目撃が頻発している自治体名が確認出来ます。

ヒグマ対策のポイント

生身の人間はヒグマにほぼ勝てません。何らかの備えがあったとしても決定力に欠け、辛うじて追い払うことが出来るかどうかという程度かも。つまり、ヒグマに出会わない、ヒグマを引き寄せないことが最も重要です。

アウトドアのためのヒグマ対策

  • 見通しの悪い山林に入らない
  • 音を出しながら歩く
  • 一人で行動しない
  • 日中のみ散策する
  • ヒグマの痕跡を見つけたら引き返す
  • 食べ物やゴミは必ず持ち帰る
  • 発見したヒグマを刺激しない

突発的な近距離での遭遇はヒグマに驚きと攻撃を誘発しますこのような事態を避けるため野山の散策では遠くからでも自分たちが活動していることがわかるようにすることが突発的遭遇のリスクを減らすことに役立ちます。定番のヒグマ対策アイテムの熊鈴はもちろん、時折声を上げるなど「音」を出しながら歩きましょう。木々が多かったり除草されていない背が高い草が多い山道・林道など見通しの悪い場所では特に重要、出没が頻繁なエリアには入らないほうがいいでしょう。
(道路周辺の草刈りなど見晴らし改善はヒグマ対策の意味もあります)

複数人で行動することもポイント。また、陽が落ちヒグマの接近や形跡に気づきにくい夕方以降や、ヒグマが活発に活動する早朝の時間帯は行動を避けましょう。

ヒグマの通り道に滞在するのは危険です。ヒグマの痕跡を見つけたら引き返しましょう。また、自然保護の意味だけでなく、ヒグマの関心を強く引いてしまう「食べ物やゴミ」は必ず密封して持ち帰りましょう

参考リンク

ヒグマ遭遇の体験談

福島町の自宅そばの家庭菜園で襲われた老夫婦の体験。会員向け記事ですが半分以上読めます。

ヒグマと遭遇、5分間格闘し生還も頭や顎に70針の怪我を負った方の体験談が北海道新聞の記事に。会員向け記事ですが半分近くが読めます。
ヒグマ駆除活動20年のベテランハンターが持つ経験と熟練の技術でも避けられない大けがや死。

キャンプでのヒグマ対策

  • 食べ物や食器、ゴミの放置をしない
  • テント内で調理や食事をしない
  • 食料は密封し離れた場所に保管する

ヒグマの興味を引き付けないため、食べ物の匂いに最大限の注意を払いましょう。食べ物や食べ終わった食器・容器、ゴミは放置せずキャンプ場指定の方法で適切に処置します。匂いを残さないためテント内での調理や食事は出来るだけ避けましょう。また、食料は匂いが漏れないよう完全密封し、テント内に保管せず車の中やキャンプ場指定の保管場所などテントと離れた場所で保管しましょう。

参考リンク

こうした対策内容を考えると、来道するバイクや自転車のツーリング勢のうち、「野宿をいとわない旅スタイル」と「ヒグマ出没が増えた近年の北海道」は相性が良くないかも知れません。

主なヒグマ対策グッズ

ヒグマに出会わないため、またヒグマに遭遇した時のための対策グッズ。同じ効果を狙った多種多様なグッズが販売されていますので、機能・効果・信頼性を優先して選択しましょう。

熊よけ鈴

音量や持ち運びやすさなど使い勝手などレビューも参考に類似品から選びましょう。北海道内ではホームセンター店頭に在庫があったりもします。(通販の商品には音量がまったく足りないものや携帯に不向きな大きさ・形状のものもあるようです)


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熊よけスプレー

風に流されやすい、噴射は数秒のみ、数メートルしか届かないなど効果的な使い方が難しい面がありますが、身を守る最後の備えとして持っておきたいアイテムです。使い捨てで比較的高額(1万円以上)なことや使用期限があることも購入し辛い点のひとつかも知れません。それでも実績ある最終手段なのは確かです。

朝日新聞記者による熊よけスプレー実演動画 →朝日新聞の関連記事

 


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ヒグマの危険度/ヒグマについて知る・学ぶ

ヒグマの特徴

ヒグマは体長2m前後で立ち上がると3mを超えることもあり、体重は100kg以上で大きい個体だと400kg以上。メスよりオスのほうが体は大きい傾向。雑食で、木の実や植物のほか魚や動物も捕食します。冬季は巣穴で冬眠しますが、冬に目撃・遭遇される例が近年複数あり、それが冬眠しない個体なのかたまたま冬眠から目覚めたのかは不明です。
行動範囲はオスで数百㎢・メスで数十㎢と言われており、オスの場合100キロも移動する可能性があります。
走る速度は最速で時速50~60kmとも言われ、全速で追われたら走って逃げることは難しいでしょう。通常、積極的に人間を攻撃することはないようですが、近距離での急な遭遇(驚き)や、声を上げたり物を投げつけたりといった行動(攻撃)による刺激が敵対と捉えられると自分にとっての脅威を排除するため攻撃してくることが十分考えられます。ヒグマの興味を引いたり刺激しない対応が重要で、執着を誘わないための対策もポイントになりそうです。

過去最悪のヒグマ被害

人を恐れず多数の人々を生きたまま食害するような衝撃的な事件が過去に発生しています。最も極端な実例として、過去最悪の1915年発生の三毛別羆事件(Wikipedia)では数度にわたり同じ集落の民家を襲撃、食害を伴い胎児を含む死者7名、負傷者3名。のべ600人とも言われる討伐隊が動員され最後は射殺されました。
このほか1878年には死者3名、負傷者2名を出した札幌丘珠事件(Wikipedia)も記録されています。

北海道全体の人的被害の記録概要は北海道の自然環境局が情報を公開しています。

近年のヒグマによる函館・道南での人的被害例

近年の函館市では死亡する被害は無いながら、まだ雪が多い2023年2月上旬に大船町の山中にてヒグマと遭遇時に襲われ1人がけが、道南では2022年7月に松前町で2人が負傷など。
2010年以降の道南全体での死亡被害を調べると2021年7月に福島町で農作業中の女性1人が襲われ死亡、2013年4月にせたな町で1人死亡、2011年に上ノ国町で1人が死亡しています(北海道の資料より)。

ヒグマについて正しく知るには

偏った知識や極端な経験談が独り歩きしたエピソードを参考にせず、冷静に正しく知ることが重要です。

渡島・檜山・北海道内各自治体の関連ページリンク集

※必ずしも常に最新情報が更新されるわけではないようです。出没しやすい場所の把握の参考にしつつ、最新の出没関連報道等と合わせてご覧下さい。